ナルコレプシーです、お見知りおきを

世界で日本人が一番多い過眠症、ナルコレプシーに関係あること、ないこと。

人は理由を知りたがるケモノ

君の理由は

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人間は、意味がないから良き生を生きられないのではなく、良き生を生きられないから意味にすがるのだ
引用:フリードリヒ・ニーチェ
 

ニーチェも言うように、人は、人生が問題に満ちているからではなく、自分がなぜ、その問題に苦しまなくてはならないのか、その「意味」が得られないことに苦しむ生き物だからです。

引用:『人生を半分あきらめて生きる』諸富 祥彦 /幻冬舎 
 

眠いことを理解された人

学生時代に知り合ったお姉さんの話。
彼女は会社員で、当時は睡眠薬にお世話になっている人だった。
 
 
彼女は私に話した。
職場で、眠そうにしていることを指摘された出来事についてを。
 
その頃、彼女は自分にあった睡眠薬の量の調整がまだ出来ていなかった。そのため、昼間でも眠気が残ってしまう。職場であまりに毎日眠そうにしているので、ある日上司に理由を問われた。そして睡眠薬が理由であると説明した
その日以降、眠そうにしていても、何も言われなくなった。
 
 
この話は学生のときに聞いたので、当時は全ては遠い世界のように思えた。社会人に押し付けられる責任というのがどういうものか想像もつかなかった。今ならば、このときの彼女は最高の極みの環境にいるのだとよくわかる。眠そうにしている理由を周りが知っていて、知った上で糾弾しないでくれる。まるで理想郷だ
 
 
 

月日は経った

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過眠症、ナルコレプシーだと診断がつく前の私は、毎日眠そうにする理由を問われても説明することが出来なかった。よって、その姿を見せないようにすることで必死だった。 しかし、私の標準の顔つきがだいたい いつも眠そうにしているらしいので、きっとその努力はあまり効果があるものではなかっただろう。
 
彼女のように睡眠薬を飲んでいる訳ではなく、さらに夜はよく眠っている。それでも眠い。理由は私の方が知りたい。
 
 
毎日毎日毎日毎日毎日、始業直後に「眠そうだね」と言われる日々が苦痛だった。はっきりと苦痛と感じているというよりは、「なんとなく違和感を感じる」程度のことだったかもしれない。私にとっての標準の顔つきが「眠そう」と言われることが不思議だと感じていた。それくらい、あの頃の自分は、自分の異常な眠気を認識できていなかったのだ。その上司のことは嫌いではなかったが、毎朝の、その一言だけは嫌いだった。
 
 
今ならわかる。自分がなぜ苦しいのか、違和感を感じるのか、それがわからないことが最も苦しかったのだ。人生で最もつらかったのは、あの頃だったのだ。数ヵ月前までいた学校という名の環境では、誰もが眠そうにしていた。それが一変したのだ。
 

 
 
その後、時が経ち私は驚くべきことを知った。睡眠が健常な人は、「エプワース眠気尺度テスト」の数値が1桁台であると。自分の数値の高さよりも驚いた。日常の標準が常に17点前後の私とはえらい違いだ。それはそれは、私の標準の顔つきを見て「眠そう」とも言いたくなるかもしれない。
(エプワース眠気尺度テスト11点以上は病気の疑い有)
 
ある人は、たとえ徹夜明けだったとしても、17点にまで近づくことはない とも聞いた。とてもではないが、私には想像しえない人生だ。
 


昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか
引用:フリードリヒ・ニーチェ
 
 
もしかしたらと この考えがよぎる。彼らにとっては、過眠症の眠気を理解するよりも、「睡眠薬の効果が残って眠い」の方が、余程気遣おうと思えるのではないかと。
 
 
 

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